今週のお題「秋の歌」
鳥が出てきそうな?、「バーダーのためのプレイリスト」を。
蔵書――といってもわたしのはたいした数ではないのだけど、そのなかには読みかけのものや全く読めていないものもたくさんあって、所謂積ん読。それらの本には、わたしが野鳥好きになる以前のものがたくさんあります。というのはわたしが野鳥好きになったのは小学生の長男の影響で、たかだか数年だから。
そんななかから、「これには鳥が出てきそうだぞ。」とアタリをつけて読み始める、というのを最近の愉しみのひとつにしているのですが、――こと音楽の場合、そもそも自身の棚にあるCDをあまり聴かなくなっていて、数ある音楽系のサブスクリプション・サーヴィスで唯一利用している、Amazon Musicでプレイリストを作って聴くことの方が多くなっています。
どのサブスクでもそうですが、AIだかその道の選曲家だかが仕立ててくれたプレイリストはあるのですが、「バーダー」(野鳥愛好家/探鳥家/バードウォッチャー)のためのプレイリスト、などというものはありません。ひょっとすると、野鳥の鳴き声を集めた音源集、みたいなものはあるかもしれませんが、そういう実利的(?)なものはすでにこちらとしても、野鳥の会のCDを購ってリッピングしてクラウドにもスマートフォンにも常備しているのであって、わたしが聴きたいのは、そこはかとなく野鳥の雰囲気の感じられるプレイリスト。なのです。
――それはほとんどわたしのためだけのプレイリストなのですが、同じようにお困りの同好の士もいらっしゃるかもしれません。これから定期的に、そうしたプレイリストを作っては、この「ソトブログ」で紹介していこうと思っています。
プレイリスト「2021.11_Featherweight」
※以下、選曲は全て、「演者/曲名」で表記しています。
※プレイリストのリンクをクリックすると、Amazonプライム会員の方は、Amazon Musicでプレイリストが聴けます。
「2021.11_Featherweight」(選曲:ソト)
M01. Feist/1234
M02. BOL4/Hug
M03. MIZ/パジャマでハイウェイ
M04. Fleet Foxes/Featherweight
M05. Julia Jacklin/Head Alone
M06. Andy Shauf/Things I Do
M07. Blu DeTiger/Vintage
M08. ユノ/No Going Back
M09. Death Cab For Cutie/Transatlanticism
M10. 福原 希己江/はらぺこ天使のうた
M11. Damien Rice/Cannonball
M12. American Football/Silhouettes
M13. Peter Bjorn and John/Second Chance
未知のアーティスト、初めて聴く曲。初めて出逢う鳥たち。
そうは言いながら今回、直截鳥について歌われたり、テーマにされている曲はひとつもありません。プレイリストのタイトルとしたのは、Fleet Foxes「Featherweight」ですが、単語の意味としては、「feather/weight」=「羽根の重さ」ではなくて、
featherweight:
1.a. 非常に軽いもの[人]、b. 取るに足らぬもの[人]。
2.可算名詞 【ボクシング】 フェザー級の選手。出展:「weblio」より、研究社 新英和中辞典での「featherweight」の意味。
――ということのようですので、わたしは初手から間違っているわけですが、この曲を始め、自身がバードウォッチングのために自然のなかを歩いたり、あるいは静かな部屋のなかで活字のなかに鳥の姿を追いかけたりするときの気分にマッチングするものを選んでみたつもりです。
そしてこれは野鳥のためのプレイリスト、ということとは関係のない話ですが、わたしはこのところ、サブスクリプションの膨大なライブラリからプレイリストを作るとき、できうる限り、未知のアーティスト、初めて聴いた曲を選ぶようにしています。とはいえ、あらゆるサブスクは、AIによって、ユーザーの嗜好や傾向に沿って絶えずリコメンドしてくれるおせっかいなサーヴィスですので、自分で選んだつもりでもそのほとんどがそうしたAIからのリコメンドの結果の産物なのかもしれません。
ただそうして初めて出会う曲たちを、わたしの選び取った曲順で聴いて、何かの作業やドライヴのBGMにしたり、眠るまえのひとときに聴き入ったりしていると、野外の、あるいは紙の上のフィールドで未見の鳥に出逢えた瞬間のあの気持ちを、思い出させてくれる気がします。
そして選んだ曲のなかから、それが歌モノの曲であれば、歌詞を検索して、読むことができます(Amazon Musicでは、曲によってはアプリ上で歌詞を表示させることもできます)。そしてそれが外国語であっても、ある程度の水準の対訳はブラウザ上で簡単に表示させることができる時代です。それでも怠惰なわたしが読んだのは、Fleet Foxesの「Featherweight」(左記リンク先はGoogle「fleet foxes featherweight lyrics」の検索結果です。)だけですが、やはりというか、もちろん、鳥の羽根について歌詞ではありませんでしたが、はかないものや心を慈しむような、美しい歌だとわたしには思われました。
Fleet Foxes「Featherweight」のLyric(歌詞)Video。最近はオフィシャルでこうしたリリック・ビデオを作っているアーティストも多いようです。
そしてこちらがFleet Foxes「Featherweight」のオフィシャルMV。実はこの記事を書きながら初めて観たのですが、孤独な野鳥(猛禽)の姿を描いたリリカルで素敵なアニメーションでした。
サブスクリプション・サーヴィスのライブラリは、とりわけ曲数の少ないAmazon Prime Musicの収録音源は頻繁に入れ替わるので、そのときどきの、季節や心情の移り変わりを反映させつつ、定期的にこちらでも、紹介していけたらと思っています。
「Featherweight」収録の、Fleet Foxesの4thアルバム「Shore」(2020年リリース)。
【以前の記事から:こちらは本物の野鳥の鳴き声とピアノのコラボレーション。ファビオ・カラムルのアルバムを紹介しています。】
部屋のなかで「聴く」探鳥――ピアノと日本の野鳥のコラボレーション、ファビオ・カラムルの『EcoMúsica | Aves』 - ソトブログ
【当ブログの音楽および野鳥観察についての記事一覧はこちら。】