ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40代、2児の父の日常)

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ユニクロのワゴンの500円のスニーカー。あるいはリーバイ・ストラウスとレヴィ=ストロース。そして子どものためのAmazon Fire HD 8へ。

 

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ドナルド・ジャッド、ジェフ・ミルズ、あるいは、レイモンド・カーヴァー。

 

週末になるとわたしの足許はスニーカー(もしくは探鳥をするなら、モンベルのトレッキング・シューズ)ということになるのですが、といってもわたしの手許には、2足のスニーカーしかない。ついでにいうと仕事用の革靴も、2足しかない。理由は経済的事情による。といってしまえば身も蓋もないどころかモノ悲しいのですが、ある意味ではそれで(満ち)足りているのです……というと何だか「ミニマリスト」っぽいけれど、そういうのでもない(と思う。ここでいうミニマリスト、物をあまり持たない生活、あるいはそういう生活をする人。みたいなことを指して使われるミニマリスト、というコトバを理解していないので)、いい加減読みづらいので括弧を開きましたが、おそらくドナルド・ジャッドとか、ジェフ・ミルズとかを指すのではないのでしょう。ドナルド・ジャッド、ジェフ・ミルズについても正直にいうとわたしの手には余るので、これを読まれているあなたは、テキトーに検索したりしなかったりして、確かめたり想像したりしてみて下さい。

 

ミニマリズムといえば、のカーヴァー、わたしの手許にあるのはこれと、『夜になると鮭は…』。初期の編集版であるこれらはすでに絶版です。が、国内では村上春樹訳であることで翻訳はいつでも読める状態にあるので、今、この時期に読むのはいいかもしれない。

 

それで気に入って履いている2足のうち、一方は2、3年は愛用しているこの、白のキャンバスシューズ。ユニクロ。ワゴンセールで500円で買ったもの。もとはおそらく、1,980円か、高くても2,980円くらいのものだと思います。それまで履いていた、コンバース・オールスター(ローカット)のブラックの踵に穴が開いてしまったために、買い換えようとしていたところに偶然見つけたものであって、特に意識して誂えたわけではないのだけれど、今ではとても気に入っています。

 

先ほども書いたように白のコットン・キャンバス製で、「おニュー」のときに履いてみて、(住んでいるのが田舎で、子どもたちと屋外で遊んだりするので)すぐに泥汚れが付いてしまって、初めは「失敗した、安物買いの銭失い!」と思ったものですが、「ガシガシ洗うことができる」という利点があります。しかも白、というのは、今はスニーカー用の洗剤(わたしは「ズックリン」を使っています)もよくしたもので、想像以上に汚れが綺麗に落ちてくれます。――――と、ここまでは実は前置き。

 

前置きと、本題、「中身」の違いは実はないのだけれど、何か改めて考えようとすると、具体的な事物について腰を据えて考えようとすると、不思議とこの「ユニクロのワゴンの500円のスニーカー」のことを、わたしは思い出してしまうのです。

 

緊急事態宣言下でもおいそれとリモートワークにはならない業種なので、「巣ごもり生活」というほどわたしの日常は以前と変わらなくて、単身赴任のウィークデイ*1は職場と家の往復。仕事が終わったら家で食事を作って食べて〜シャワーを浴びて〜洗濯してアイロンをかけて〜かけながらラジオを聴いたり映画を観たりして、〜そのあとブログを書くか本を読む、その本は離れて住む家族のいる自宅から、「積ん読」になっている本のなかから選んで、持ってきています。

  

レヴィ=ストロースとリーバイ・ストラウス、ウディ・アレンも!

 

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とはいえ世の中の雰囲気が変わると、「読もうかな」と思う本もそういう気分に流されて、どれも以前に自分が買ったものとはいえ、なかなかなか読もうとしていなかった、つまりは長く積ん読になっていたものが、わたしに選ばれるようです。そしてそのなかの一冊が、構造主義、構造人類学のパイオニア、クロード・レヴィ=ストロース(以下、レヴィ=ストロース)の講演集、『神話と意味』(みすず書房)ですが、何か時代の転換点のような様相を呈する事態にあって、同じく時代や状況、歴史を転換させた、パラダイムをシフトさせた思想に触れたくなるものです。

 

「序」を開くと(シカゴ大学、ウェンディ・ドニジャーという人のテキストらしい)、レヴィ=ストロースとジーンズのリーバイ・ストラウスが同じ名前(字面)、ということが紹介されていて度肝を抜かれる(ああ、確かに! でも「序」の書き出しすぐである、この箇所くらいは、積ん読とはいえこれまでにも読んでいたハズ)。

 

 むかしクロード・レヴィ=ストロースがカリフォルニアのバークレイに来たときのことである。彼はホスト役の友人を大衆レストランに連れていった。空席を待つ人が列を作っていた。ウエイティング・リストに書くために、案内係の女性がこの高名なじんる学者に名を尋ねた。答えを聞くと、彼女はびっくりして目を大きくして言った。「まあ! 人類学者の? それともジーンズの?」

クロード・レヴィ=ストロース『神話と意味』(大橋保夫訳、みすず書房)、ウェンディ・ドニジャーによる「序」より 

 

神話と意味【新装版】

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上記引用の直後には直後には、ウディ・アレンの著書、『羽根むしられて』への言及もある。いわく、「かつてウッディ・アレンが描いた空想の動物のように、レヴィ=ストロースはライオンの頭とライオンの体をもっている。しかしそれは同じライオンではない。」

 

――本当はこの文章は、もうすぐ5歳になるわたしの次男のために、先ごろ購入した「Amazon Fire HD 8」タブレットのレビューへと繋がるはずだったのですが、全くそこまで辿り着けませんでした。例によってこの文章を書いている手書きノート、マルマン・ニーモシネ(Mnemosyne)「N182A」の1ページの紙幅が尽きました。ではまた、オーヴォワール!

 

 私は以前から現在にいたるまで、自分の個人的アイデンティティの実感をもったことがありません。私というものは、何かが起きる場所のように私自身には思えますが、「私が」どうするとか「私を」こうするとかいうことはありません。私たちの各自が、ものごとの起こる交叉点のようなものです。交叉点とはまったく受身の性質のもので、何かがそこに起こるだけです。

クロード・レヴィ=ストロース同書、「まえがき」より 

 

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現在(2020.4.23)Amazon.co,jpではFire HD 8はキッズモデルのみ販売、ただし14,980円→8,980円と大幅にセールされています。わたしは息子には、あえてキッズモデルは選ばなかったのですが、これだけ安いならこっちを買ってもよかったな(わたしが通常版を通常価格で買った直後に、こちらがセールされた)。 

 

 【以前の記事から:本は読んでも面白いし、読まなくても、買って、手許において、撫でたり、いつか読むことを意識し続けていたりすることも面白い。】

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*1:とはいえ、週末に簡単に県境をまたいで帰るのもままならない状況にはなっています。