ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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休日の鳥見といういつもの愉しみ。あるいは、鳥たちとわたしたちの埋まらない距離。

 

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2週連続の3連休の最終日、秋分の日はなんとか晴天に恵まれ、いつものように息子と近場でバードウォッチングに興じました。ただこの日は、バーダーとして、同時に始めたのにわたし以上に知識も勘も身に付けている小学生の長男だけでなく、わたしや兄の影響で誕生日にカメラを所望して、双眼鏡やカウンター(数取器)をもリュックに忍ばせている4歳児の次男も一緒でした。

 

シンワ測定 数取器 手持型 C ブルー 75090

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研究者でも調査をしているわけでもないわたしたち親子ですが、長男の自由研究など、鳥の数を数えるとき、実際カウンターは重宝します。こんなこというと馬鹿みたいですが、よくできた道具ですね。

 

ミサゴがホバリングから急降下。水面の獲物目がけて飛び込んでいく!

 

この日はまず午前中に、少し前に地元紙で、アジサシが見られたという風物詩的な記事の載ったとある川の河川敷へ。

 

肝心のアジサシは見られませんでしたが、河川敷のヨシ原でコオロギなどの昆虫と戯れたり、視界をサッと横切るようにかすめていく小鳥(種未確認)、ピヨピヨピーヨと、小煩いくらいに鳴きつつ、鵯越えの波状飛行をしていくヒヨドリ、対岸に小さく見えるダイサギ。それらを眺めながら待っていると、上空にはOspreyことミサゴの悠然とした姿。カメラをズームさせて追いかけて、なんとかうまくフレームに収まって満足していると、ホバリングから急降下して、水面の獲物目がけて飛び込んでいく!

 

上空のミサゴ。飛翔シーンを撮るのはわたしの腕では難しいのですが、なんとか収めることができました。と、それに安堵して、急降下を見逃してしまいました。 

 

「父ちゃん! 今の撮った?」
「着水は撮れんかった。」
翔んでるの撮って満足してたやろ?

 

息子の指摘は図星で、バードウォッチングを始めた頃に見つけると嬉しかった、見慣れたトビとは異なる白を基調とし、一種高潔さや美しさを感じるミサゴの姿態。超初心者だったその頃からカメラも誂え直し、今日はうまくその姿を捉えた!――ということに安堵して、撮った画像を確認していたら、目の前のミサゴが見せたハイライト、獲物を狩るダイヴを捉え逃してしまいました。「ホバってたらそのあと飛び込むんやから、そこを撮らな!」息子になじられるのもある意味では心地よく、その後もしばらく待ってもアジサシは現れませんでしたが、諦めて車に戻るときに見つけた有刺鉄線の上のホオジロを、今までになく綺麗に、可愛く撮ることができたことにまた満足したりして、午前中は終わり。

 

個人的には、今までで一番、ホオジロの可愛さの限度いっぱいまで迫れたような気がした写真。留まっているのが有刺鉄線というのも、危うくてそこがまた可愛い。

 

同じ場面ですが、こちらのアザーショットは反対に強面で格好良く見える(主観ですが)から鳥って不思議。

 

その後、野球好きの息子ふたりと、近所(というより隣り町)に一軒しかないバッティングセンターに寄ってひと汗かいたあと、午後からは春先にも当ブログで紹介した探鳥地、シギ・チドリ類の飛来地として地元バーダーに知られる「森の鼻」(和歌山県みなべ町)へ。

 

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「森の鼻」でシギチがいっぱい。

  

地元では磯釣りの名所としても有名な森の鼻にて。人が多いとこうはいかないのですが、潮が満ちて風も強く、人影のないこの日はシギチがたくさん。

 

シギ・チドリ類は日本には、主に春・秋に渡りの途中で寄る「旅鳥」として短期間、滞在します。そしてこの「森の鼻」のような、干潟やビーチ、海辺の岩礁地帯で見られるのですが、種類も多く、姿もよく似ていて、干潟や砂地に紛れるような地味めの色合いの姿態のものも多くて、興味を持って探してみないと見過ごしそうなくらいなのですが(実際、わたし自身、鳥見に関心を持つまでこんな鳥たちが海辺にいることに、気づいていませんでした)、目を凝らしてよくみると、双眼鏡の視界のなかに、ちょっと言葉が不適切ですが、「うじゃうじゃ」というくらいにシギチが群れていたりする(そして、いくつかの種が入り乱れている)ところに独特の面白さ、可笑しみ、可愛さみたいなものがあります。


そんなシギチがいっぱいの森の鼻に着くと、わたしも息子たちも、吹きさらしで風に煽られながら、鳥たちに近づきすぎて彼らを警戒させないように注意しながら、夢中で双眼鏡を覗いたり、シャッターを切ったり。以下、こんな駄文を連ねるよりも、森の鼻で撮った彼ら=シギ・チドリ類の写真を並べてみる方が、彼らの魅力にいくらかは、平面の画面上でも近づくことができるかも知れません。

 

メダイチドリ(たぶん)の群れも、夏羽だった春先とは随分、雰囲気が違います。

 

 

まさに千鳥足でふらふらと歩くチドリたちの細い脚! 改めて見ると小鳥たちの細足に造形的な美しさを感じます。この脚の色が、見分けの肝になったりもする。

 

 

こちらはオバシギでしょうか。シギ・チドリはまだまだ、うまく見分けられません。

 

一羽のキョウジョシギが、群れを離れて埠頭を歩いて行くさまには、勝手に「哀愁」という情感をつい、当てはめてみたくなる。

 

 

首を後ろ向きに埋めて休んでいる水鳥は、生き物とは別種のオブジェのようでもある。

 

キアシシギメダイチドリキョウジョシギ。広がりのある場所で、密に様々な種類がひしめきあっている様子も、シギ・チドリ類の魅力のひとつ。

 

――正直にいうと、シギチの同定(種の見分け)はまだまだ難しく感じているわたしたちですが、せっかくこうして身近な場所で彼らの姿が見られるのだから、何度でも彼らの許を訪れて親しんでみたいと思っています。バードウォッチング/鳥見というように、野鳥たちはわたしたち人間にとっては、基本的には「見る」だけの存在で、わたしたちがどれだけ親しみを持って眼差してみても、彼らとわたしたちのあいだにある、カメラや双眼鏡の、あるいは肉眼の――レンズ越しの、一枚も二枚も隔てた、埋まらない距離感。そこにある種の清々しさ、厳しさを感じるのも、今は好ましく思っています。

 

 

今回の写真は全て、Nikonの2000mm相当、83倍ズームという超望遠コンデジ、Coolpix P900にて撮影。気軽に鳥見、鳥撮りを愉しめる、自然観察用途の名機だと思います。 

 

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