ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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アオバズクの夜明け――世界遺産・闘鶏神社で身近なフクロウに出会う午前五時。(和歌山県田辺市)

 

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この夏の念願、地元の古社に飛来するアオバズクを求めて。

 

現在は小学4年生になる長男と2年あまり前から、まったくの初心者から始めたバードウォッチングも、特別なイベントではなく日常的な活動になって久しい日々を過ごしています。

 

ここ和歌山のみならず、日本国内ではどちらかというと冬場の方が、「バードウォッチングの季節!」という感じがしますが――(鳥の種類のみならず、じっと待つことの多い鳥見、夏の暑さは堪えますね。)――それでも、いくつかの夏鳥たちが、わたしたちの暮らすこの街にもやってきて、その姿を愉しませてくれています。

 

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なかでも、わたしたち父子が追い求めていたのが、5月に上記の記事で触れた、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に組み込まれている地元の社、「闘鶏神社」に毎年のように飛来するというフクロウの仲間、アオバズクです。

 

 

アオバズクというとフクロウのなかでは最も身近な種として知られていて、こちら和歌山でも、『和歌山県鳥類目録(2018年版)』(日本野鳥の会和歌山県支部・編)において、生息数こそ「少」ですが、「各地」で見られる鳥と記載されています。しかしながら、わたしたちはまだ見たことがありませんでした。今のわたしと息子の鳥見の愉しみ方のハイライトは、<初めて見た鳥を写真に収めて、自分たちの「鳥図鑑」を作る。>ということ。所謂「ライフリスト」の延長のようなもので、この「ソトブログ」でも何度か紹介してきたのですが、この春から夏にかけては、地元でアオバズクを見たい、というのもささやかな目標のひとつでした。

 

わたしが現在単身赴任中で、息子とゆっくり探鳥を愉しめるのは自宅に戻る週末に限られているため、夜行性のアオバズクが活動を始めるであろう夕刻に、神社を訪れてみることが多かったのですが(夜中では写真を撮れないので)、早朝の方がもっと可能性が高いかも知れない。ということで、先日の日曜日(七夕の日でした)、ちょうど時間が取れたので、朝5時に起きて、眠い眼をこすりながらくだんの闘鶏神社に向かいました――妻が進軍ラッパのようなサウンドの、スマートフォンのアラームで起こしてくれて、ドタバタと支度をするわたしたち父子は少し顰蹙を買いながら。

 

前回の記事でも紹介した、闘鶏神社に隣接する、児童公園脇のクスノキ。まだ暗さの残る早朝の空の下、この大楠を見上げてみると――

 

ささやかな満足感を味わう、早朝の鳥見行。

 

――やはり早起きはいくらか得をするものでしょうか。これまで空振りが続いていたのでこの日も、(わたしは)あまり期待をしていなかったのですが、境内の例の大楠をつぶさに眺めていた息子が、

「いた!」

といって真剣な顔でカメラを構えました。野鳥観察で鳥を見つけるのはいつも息子の方で、ヴェテランたちが大勢集まる探鳥会でも、小さな飛翔体をいち早く見つけて、その眼に捉える能力は随所で発揮されていて、これは天性のものなのかな、少し羨ましくさえあるのですが、こういうときはやはり頼もしい。

 

わたしからすれば凄まじい/羨ましい「眼」を持つ息子の視線の先に目を凝らしてみると――

 

「どこどこ?」とうろたえるわたしを尻目に、なおも真剣な眼差しで梢のあいだの、英名Brown Hawk-Owlというその名の通り、枝や幹に溶け込むような地味めの茶色の姿態を捉えている息子の視線の先を追って、わたしもなんとかアオバズクの姿を目にすることができました。

 

その後何度か枝と枝とのあいだを飛び交って、落ち着く場所を見つけたらしいアオバズク。そこはクスノキの大樹であって、枝に被ってなかなかアオバズクの、フクロウらしい、猛禽らしい凜々しく猛々しい相貌を眺めることができません。端的にいうと、顔が写らない。しかしそこは私たちの場所ではなくて、「アオバズクの場所」。こちらが少し遠ざかりながら、ぐるりをゆっくりと巡って、いい観察場所、角度を探しつつ、カメラを構えました。こういうとき、35mm版換算2000mm相当、83倍ズームのカメラ、Nikon P900が活躍します。鳥の棲み処は鳥の棲み処であって、私たちバーダー、人間はちょっとだけそれを覗かせてもらっているのだ。そう思うとき、距離を保ちつつ、かなりのズームで大きく彼らの姿を捉えることのできる高倍率ズーム機は、やはり野鳥観察にはうってつけなのだと思います。

 

黄色い虹彩が際立つアオバズクの鋭い眼光、その勇姿。

 

角度によってそう見えるのか、眼を細めているのか、黒目がちになると、それはそれでさらに鋭いというか、恐いくらい。

 

そうやって曇り空の朝方のほの明るい光のなかで、捉えたアオバズクの姿。正直「美麗な写真」とは言いがたいものですが、わたしたち親子にとっては図鑑の新たな1頁を飾る、そしてライフリストを更新する、新たな出会いになりました。

 

ささやかな満足感を胸に帰宅したわたしたち。妻と次男が起きて来るまでのあいだに、息子は週末の宿題をこなし、――いっぽうわたしはというと、その傍らのソファで二度寝してしまいました。

 

大きなセンサーの高精細な一眼レフやミラーレス機の全盛のデジカメの世界において、こうした高倍率機はマイナーな存在ですが、このP900と、後継機種の下記P1000(なんと望遠端3000mm相当の超倍率機)は、探鳥会や自然観察会に参加すると必ず、愛用者に出会うアウトドアフィールドでの人気機種。

 

Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000 ブラック クールピクス P1000BK

Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000 ブラック クールピクス P1000BK

 

 

【以前の記事から:親子での鳥見生活については、これからも愉しみながら、綴っていきたいと思っています。】

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【当ブログの野鳥観察についての記事一覧はこちら。】