ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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手書きで書く、サインペンで書くブログのススメ。(序章)

 

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「手書きでブログを書いてみる」という選択。

 

ひとの苦しみをきっかけにしているかのようで少しばかり恐縮ではあるのですが、友人であり、同世代でもある鈴木章史さん(@OfficeKabu)が、彼のブログ「おふぃすかぶ.jp」で、――首や肩が(ちょっと深刻なくらい)辛くなってきた。その原因の(一端は)出先のPCでの作業が増えてきているからかもしれない――というような内容の記事を書かれていました。

 

office-kabu.jp

 

今、鈴木さんと同世代、と書きましたがわたしは鈴木さんと同じ1978年生まれ、今年(2019年)は本厄の、満年齢で41歳になります。そして環境は違えどわたしもデスクワークで、この春先から部署が変わったこともあって、職場での大半をコンピュータの画面とニラメッコしながら過ごしています(もちろん、ただニラメッコしているわけではない。為念)。

 

書きたいことはいくらでもあるのに、このところこの「ソトブログ」を書けていなかったのも、転勤・異動で忙しくなったこと、デスクワーク(PC作業)が職場で増えてしまって、自宅でPCを触る気が起きなかったから、というのが多分にあって、先ほど紹介した鈴木さんのテキストを読んで、直接/間接にわたしが考えた、というか思いついたことは、

「手書きでブログを書いてみよう。」

――ということでした。

 

そして、「サインペンで書く」という選択。

 

sotowrite.hatenablog.com

 

以前上の記事で書いたように、ちょうどこのところ、筆記具としての「サインペン」の魅力を再認識していたところですし、保坂和志、湯浅学、菊地成孔といった、わたしの敬愛する作家、文筆家のなかには、長く「手書き」で原稿を書かれている方々がいて(菊地さんの場合は原稿はPCであって、(ぺんてるの)サインペンで書くのは歌詞やラジオ用のネタなどということですが)、彼らの書くテキストは、他にはない魅力に満ちています。

 

何より、わたしがメモを取るだけでなく、長文の筆記のためにサインペンを使ってみようと思ったのは第一に、小説家・保坂和志さんが原稿執筆にサインペンを使っている、ということを知ったからでした。『書きあぐねている人のための小説入門』を読むと、保坂さんの使われているのはパイロットの「スーパープチ(中字)」でしたが、昨年NHKで放送された保坂さんと猫との暮らしに取材したドキュメンタリー「ネコメンタリー 猫も杓子も/保坂和志とシロちゃん」で原稿を書く手に握られていたのは、見るところ(おそらく)、三菱鉛筆のサインペン「リブ」でした。

 

パイロット サインペン スーパープチ チュウジ B SEG-10M-B 10本

パイロット サインペン スーパープチ チュウジ B SEG-10M-B 10本

 
三菱鉛筆 水性ペン リブ 細字 MYT7.24 黒 10本

三菱鉛筆 水性ペン リブ 細字 MYT7.24 黒 10本

 

 

筆記具をマネしたからといって文豪と同じクオリティのテキストを書けるわけではまったく、全然、カンペキに――、そうではありませんが、わたしも、わたしにとっての最高の書き味や手にしたときの気持ちよさ、満足感・・・・・・などなどを求めていくつもサインペンを手に取りました。

 

 

サインペンというとその用途ゆえか、構造のためか、万年筆よりもボールペンよりも、チープで手軽なプロダクトが多くて、そのほとんどが100~200円と、安価なのも特徴です(そしてそれは生活者として、とてもありがたい)。そして左利きにとっては、ボールペンのように筆記中に「かすれる」ということがない。もっとも最近のボールペンは進化が目覚ましく、素晴らしくて日常的に使っていて、ひどくかすれる、ということは多くのボールペンでなくなりましたが、サインペン特有の、抵抗の少ないサラサラとした書き味には、やみつきになるところがあります。

 

そんなわけで今回初めて、このブログの文章を記事の最後まで、サインペンで書いてみようと思っています(註:この記事は実際、そうしました)。手書きでブログを書くと、「PCで清書する」という工程が増えてしまって、一見、というかどうみても余計な手間がかかってしまうし、最初にこの文章を書くきっかけとして紹介した鈴木さんの記事にあった、(身体の不調の原因になったかもしれない)PCでの作業を減らす、ということには直接的にはならないのですが、それでも、(単純なメモではなく)書きながら、考えながら、そしてまた文章を紡ぐ、長文を書くという作業を、ひさしぶりに手書きでやってみると、PCやワープロ、ポメラでタイピングするのとは、使っているアタマの箇所が違うような気がします。

 

「気が散る」からこそ書ける文章を。

 

 

それは気のせいくらいのものかもしれませんが、身体的にはかなり違う。これは保坂さんの本にも書かれていたことで、(単身赴任で本棚の本全てをこちらに持ってきているわけではないために)直接引用できませんが、画面をずっと集中してみてしまうPCやワープロと違って、視線が紙の上だけでなく方々に動くし、気持ちが周囲に飛ぶ。つまり「気が散る」。今日は休日出勤の代休が取れたので、近所のファーストフードのハンバーガーショップでこれを書いているのですが、先ほどまで、近くのテーブルでは、初老の男性ふたりが、世間話がヒートアップして口論になり、ひとりが「帰る!」といって出て行ってしまいました。

 

そんなある意味で、あらゆる意味でノイズでしかない周囲の状況も、書いているわたしの思考に入ってくるし、今こうして書いている文章の丁寧さ、あるいは筆記している文字の乱れかた、走りかたで、わたしが今、ノッてこれを書いているかどうかも、わたし自身に手に取るようにわかる。

 

手書きはさっきも書いたように長時間集中できないので、わたし自身がこの文章に飽きてしまっては書き続けられない。

 

というわけで、今愛用しているサインペン、先頃三菱鉛筆よりリリースされた「EMOTT(エモット)」については、回を改めて触れたいと思います。ボールペンやシャープペンシルなどと比べて革新的なプロダクトがあまり開拓されていないように見えるサインペン界に一石を投じる、アトラクティブなサインペンだと思っています。

 

それについてサインペンで書くか? PCで書くか? ――隣席の、ひとり残された老人のそばには、今度は別の知人男性が座り、談笑を始めたようです。

 

今回は、サインペン「EMOTT」で原稿を書く。→ポメラDM200でタイピング。→PC(Chromebook)で記事に仕上げる。という三度手間?で書いてみました。手間、と書いたけど、自分でも予想以上に愉しめました。

 

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

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三菱鉛筆 水性ペン EMOTT エモット 5色 No.3 PEMSY5C.NO3

三菱鉛筆 水性ペン EMOTT エモット 5色 No.3 PEMSY5C.NO3

 

 

【以前の記事から:左利きのわたしにとっての、ボールペンの選び方について。】