ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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俺たちビッグ・ボーイズ――父と子のバードウォッチング・ライフ #001

 

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メリル・ストリープ/アン・ハサウェイ共演のファッション業界を描いた女たちのバトル&お仕事コメディの大ヒット作、『プラダを着た悪魔』の監督であるデヴィット・フランケル監督には、バードウォッチングの世界に材を取った男たちのバトル&道楽コメディといっていい傑作『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(2011)という映画があって、今回の記事のタイトルは、そこから。ただ、映画の邦題の「ビッグ・ボーイズ」というのは、原題にもなっている、北米で一年間に見た鳥の数を競う、“The Big Year”という競技名と、主人公たる3人の男たち、というところからかけたものだとは思うものの、ちょっと意味としてはとろけてしまっているところがある(3人のうちのひとり、巨漢コメディアン、ジャック・ブラックの体型にかなり寄りかかったタイトルかも知れない)と思うのですが、キャッチーなのでそのまま引用させていただきました。

 

ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して [DVD]

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私のプライヴェート・ライフで目下いちばんの関心事のひとつであって、愉しみである子どもたちとのバードウォッチングについて、これまで何度もこの「ソトブログ」でも触れてきましたが、結局いま、休みの日というと私は鳥見と、子どもたちとのキャッチボール、野球くらいしかしていないのだから、もっと気負わずに、それを綴ってみよう。というわけで、バードウォッチングの方法論や、探鳥地の紹介などについて大上段に構えて「紹介」「教示」するようなテキストではなくて(もともとそんな大層なことは出来ませんが)、たんに親子で鳥見を愉しむ日々の日記のようなものとして、書き続けていく、という形式で改めて、始めてみたいと思います。

 

こういう趣味、レジャーは何か、きっかけがないと始められないものですが、そういうものの一翼を、当ブログの記事が担うことが出来れば、などと(ちょっとだけ)願いつつ。

 

2019年5月某日(オオルリやクロツグミを求めて/原付きで走り去るバーダーおじさん/喧騒を避けてきたチュウシャクシギ、キョウジョシギ/真ん丸の瞳のイワツバメ)

 

AM

6時に起き、朝イチで市内にある、奇景で知られる峡谷、奇絶峡(きぜつきょう)付近の林道へ。オオルリやクロツグミといった夏の「歌う鳥」たちの、さえずりやその姿を見たくて。夜明けのコーラスを聞くにはちょっと遅かったけど、同じ市内とは思えない、寒いくらいの涼しさのなか、オオルリシジュウカラウグイスといった鳥たちの、美しい声のさえずりを聴く。歩いていると機材を抱えて原付で走るおじさんと出会う。彼もまたバーダーで、たくさん写真を見せてもらい、探鳥情報を教えていただく。近くで見たというヒクイナの写真に、息子が目を輝かせていた。このおじさんのカメラも、私と同じNikon Coolpix P900だった。バーダーや自然観察イベントで、P900使用者に出会うこと多し。

 

www.sotoblog.com

この日歩いた奇絶峡の林道を初めて歩いたのは、この記事のときの自然観察会で。目の前の自然を、一つひとつ仔細に観察しながら歩く面白さ。

 

GW中で釣り客、キャンプや磯遊びなどを愉しむ家族連れ、グループなどで賑わういつも行く探鳥スポットを避けて、地元の川の、河口付近へ。ここは静か。小学生バーダーの長男とふたりで双眼鏡を構えていると、いた! 件のいつもの探鳥地、隣町にある“森の鼻”で最近見かける一羽のチュウシャクシギ。このチュウシャクシギも喧騒を避け、今日はここに来たのかも知れない。近くにはキョウジョシギメダイチドリも。こちらも森の鼻でもよく見かける。

 

PM

一羽きりのチュウシャクシギが波打ち際で屹立する。

 

 夕方から再び、某川河口へ。朝と同じチュウシャクシギ。チュウシャクシギのそばには、キョウジョシギの十数羽の群れ。コチドリの姿も。トビやカワウ、ツバメたちも飛んでいる。息子が「ミサゴが3羽も!」というので見上げて、夢中でシャッターを切って見てみると、カモメ類だった。この辺のカモメやセグロカモメもユリカモメもカモメなど、冬鳥なので、渡り遅れたものたちか。これから渡るのか。

 

キョウジョシギとメダイチドリ。旅鳥である様々なシギチ(シギ・チドリ類)類が見られる海岸の風景は、この季節ならでは。

 

少しだけ上流へ移動。橋の下で巣作りして、夕方にいつも乱舞しているイワツバメの群れが、この日は固まって地面に降り立ってくる。ほんの十数メートル先で、息子とふたり脅かさないようにそっとシャッターを切る。地面をしきりに嘴でつつく彼らの姿を、動画にも収める。真ん丸のつぶらな瞳のイワツバメの可愛さ。そのあと橋の下の巣も覗かせてもらう。巣立ち前の雛の姿も。橋の上からはキジ(オス)の姿も。警戒させてしまったみたいで茂みのなかに蹲っている。ちょっと申し訳ない気持ち。

 

いつもは不規則に乱舞するイワツバメの群れが、この日は目の前に降り立って、じっくり観察させてくれた。下記は同じ場面の動画。

 

www.youtube.com

 

叢に身を潜めるキジのオス。

 

こちらは別の日に、別の場所で撮影したキジの番い。

 

2019年5月某日(小さな身体で目一杯、ドラミングしながら木登りするコゲラ/峡谷にこだまするオオルリの歌声)

 

午前中、市内の某神社へ。ここは九州にある私の実家のある街の神社から勧請されたとの記録があるらしくて、この街に住むようになって不思議な縁を感じた処。神社の森に、アオバズクとかキツツキ類とか、鳥たちが集まるのを期待して。しかして実際、コゲラの姿あり。他にエナガ、メジロ、ヒヨドリ、ツバメなど。ヤマガラやシジュウカラ、キジバトの囀りも。

 

クルクルと螺旋状に登りながらドラミング(木を突く)コゲラ。

 

上流へ移動して、奇絶峡へ。昨日朝の林道ではなく、景勝地としての奇絶峡のバス停のある付近から、川沿いを下流へ向けて歩く。昨日のおじさんから、カワガラスの情報を得て、巨石のあいだを縫うように流れる水面を眺めつつ歩いていると、上方から美しいオオルリの囀り。しばし立ち止まって林を眺めていると、時折、川を挟んで反対側の林へ飛び、そちらで囀ったかと思うと、元の木に戻ってまた囀る。息子と並んで双眼鏡を覗いて、何度かオオルリの美しい青い姿態を目にするも、写真には撮れず。それにしても美しい歌声は、市街地よりずっと涼しい峡谷に似つかわしい。

 

巨岩の転がる、奇絶峡のまさに奇景。

 

このなかのどこかのソングポストで、オオルリが歌っている。

 

撮影は全て、Nikonの高倍率ズームコンデジ(35mm換算2000mm相当、83倍ズーム)のCoolpix P900にて。全て補正なし、ノートリミング。長男とふたり、「ピク」(P900、なので)と呼んでいます。

 

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