ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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南紀田辺、天神崎に一羽きりで渡ってきたコクガンの姿を求めて。

 

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夕刻にふらっと、一羽きりで飛来してきた渡り鳥「コクガン」を求めて。

 

もともと私の趣味で始めたわけでも何でもなくて――、小学生の長男と地元の自然観察教室に参加し始めると同時期に、たまたま近所で見かけた鮮やかな藍色とレンガ色の鳥(イソヒヨドリ)を見かけて図鑑を眺めたところから始まった、私と息子の探鳥=バードウォッチング・ライフ。週末の予定が特になくても、何となく庭で、近所で愉しむことができる、自然環境も含めた現在の環境は、有り体にいって恵まれているといって差し支えないと思っています。

 

昨日(2019年1月20日)の日曜日も、ちょうど少し前に地元紙の記事になっていた、近畿地方では珍鳥といえるコクガンを求めて、夕食前の少しの時間に長男とふたり、ふらっと出かけてみました。

 

www.agara.co.jp

 

場所は記事の写真の撮影場所ともなっている田辺市・天神崎。ここは自然保護の市民運動、ナショナル・トラスト運動の日本における嚆矢のひとつともなった場所で、そうした(今も続く)先人たちの取り組みの上に、このような豊かな自然が育まれ続けているということでもあって、さっきまで夜の(単身赴任先へ戻るための)ドライブに備え午睡していたというのに、そんな処へこんなふうに何気なく行けるのは、やっぱりちょっと贅沢かも知れない。

 

天神崎の自然を大切にする会

 

上記、現在も活動を続ける「天神崎の自然を大切にする会」に繋がる天神崎の自然保護運動の歴史についてはこちらに詳しいです。地元においても、その自然の価値(希少価値)も含めて様々な議論があったところのようですが、とまれ、現在のような形で自然環境が残っていることは、やはりとても貴重なことだと思います。

 

週末の宿題を済ませた息子も二つ返事で、いつものように(ダメもとで)海沿いを車で流しながら、塒(ねぐら)入りするカラスの群れや、“和歌山の夕陽百選”な、日の入りの様子を収めるカメラマン、帰り支度を始める釣り人たち――大きな期待をせずにそんな風景を眺めていると(しつこいくらいに繰り返しますが、そのような風景こそ、見るに値する、記憶に焼き付けるべきSceneryなのですが)、岩礁の上に一羽の水鳥を見かけました。天神崎の海岸沿いの、車一台が通るのがやっとの道を、後ろから来る車がないのを確かながら速度を落として徐行しつつ、息子に、 

「あれ、何やろ? カモ?」

 というと、息子が手に持っていた双眼鏡を構え、

 

 

「コクガンちゃう?」

 と。慌てて車を止めてカメラを出していると、後ろからクラクション。気を取り直して少し先の、天神崎の海を臨む最高峰、といっても標高36メートルの日和山(ひよりやま)の登り口のそばの路肩に駐車して、息子とふたり。おそらく家路に就くのであろう行き交う車に注意しつつ、岩礁を半ばは優雅に、半ばは所在なさげに歩き、水に入れば頭から潜り込んで海藻を食む、たった一羽でこの地に渡ってきたコクガンの邪魔にならないように撮らせてもらったのが、以下の写真です。

 

 

最近はこれに限らず、おそらくは地元の熱心なバーダーの方が発見したのであろう、普段こちらでは見られない珍鳥・稀鳥の新聞記事を見て散策し、運良く私たちも遭遇できる、そういうチャンスに恵まれています。ギャンブルはやらない私ですが、こういうビギナーズ・ラックは嬉しいもの。このときばかりは生意気盛りの息子とも気が合うので、バードウォッチングはやめられそうにありません。

 

愛用しているこちらの図鑑によれば、コクガンは「多くは東北地方以北の海岸や沖合に渡来するが、それより南での記録も増えている。」とのこと。自分たちで観察していると、こうしたことを実感できる愉しみもあります。そしてそれは何故なのか?――というふうに考えてみることが、また別の学びに繋がるのかも。

 

天神崎の海岸近く、岩礁に佇むコクガン。

 

前日の1月19日、こちらも同じく地元紙「紀伊民報」で記事になっていた、「シロガシラ」に出会えました(田辺市、左会津川にて)。こちらも僥倖。

 

【2019.2.26追記】その後も何度か天神崎に観察に行ってみると、いつの間にかコクガンは2羽になっていました。以下の記事では2羽で仲良くアオサを啄む姿を動画で紹介しています。

www.sotoblog.com

 

【当ブログの野鳥観察についての記事一覧はこちら。】