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旧市内随一の自然観察スポット、伏菟野(ふどの)で「シーボルト」を発見!【和歌山県田辺市】

 

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ホタルの郷としても知られる田辺市の「伏菟野(ふどの)」地区を、歩く・歩く・歩く!

 

前回書いた「落ちアユせぎ漁」イベントの翌日は、私と長男の月に一度のお愉しみ、「ふるさと自然公園センター」の自然観察教室。今回はこちら、近畿随一の広さを誇る和歌山県田辺市のなかでも、今でも初夏のホタル祭りが開催されるなど、随一の自然観察スポットである伏菟野(ふどの)の地での、ウォーキング。その名もストレートに、「秋の動・植物を観察しよう」でした。

 

ふるさと自然公園センター 自然観察教室のご案内|田辺市

 

 

市街地から車で30分程度、平成29年度を持って閉校した旧「伏菟野小学校」の校庭に集合したこの日は弁当持参。昼食を挟んで半日、伏菟野の林道を講師の先生方とともに歩きながら、目に留まった道々の生き物、植物たちを観察していくのですが、私も小学3年生の息子も、「自然観察教室」に数多く参加するなかで、いちばん好きなのが、こうした「歩く」会です。

 

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もちろん、「バードウォッチング」とか「粘菌採集」「昆虫採集と標本作製」といった、観察対象やテーマの明確なイベントも、愉しみとしても知的好奇心としても非常に面白いのですが、ランダム、不規則でカオスに満ちた自然を享受、体験するという意味で、こうしたラフで、行き当たりばったり、一回性、偶有性に満ちた体験の出来るこうしたイベントは、まさに自然観察の醍醐味というもの。特にこの田辺市の「ふるさと自然公園センター」の観察会は、毎回様々な分野に精通した先生方が参加して下さるので、オン・ザ・ロードでその講義を訊きながら歩くのは、本当に面白いのです。

 

今回も先生方と親しく会話しながら歩く息子の後を追いかけながら、メモを取りとり歩きました。

 

まさにランダムに遭遇する生き物たち、植物たちですから、歩きながら取ったそんなメモを見返しながら、そして写真を見返しながら、振り返ってみます。

 

今回も野帳、メモで活躍したのは、マルマンのクロッキーリーフ&三菱のサインペン、リブ。

 

自然の猛威と恵みに思いを馳せつつ足で稼ぎ、五感を総動員して見つけ、出会う生き物たち、植物たち。

 

 

ちょっとこの写真だとわかりにくいのですが(写真中央奥)、伏菟野に来るとすぐに目に入ってくるのは、一部がごっそりと切り取られたような山の斜面。2011年、紀伊半島を襲った台風12号による豪雨災害の爪痕です。センターの先生からもお話があり、この土砂災害で命を落とされた方々の冥福をお祈りし、自然の恵みだけでなく、猛威にも思いを馳せつつ、一日が始まりました。

 

 

林道に入っていきなり、私の息子が、「カワガラス!」と声を上げました。カワガラスは川や渓流など、水がない場所では生きていけない鳥で、大半を水の中で過ごす鳥です(※参考:叶内拓哉 写真・文『くらべてわかる野鳥 文庫版』)。ちょうど前日、アユ漁イベントの熊野川でも息子はカワガラスを目撃していて、私とともに見つけた鳥の自作写真図鑑作りに勤しむ息子の声に促され、リズミカルに素早く、川面を、そして転がる石の上を次々と飛び移っていくカワガラスの姿を追いかけました。

 

 

 

結局うまく撮れなかったのですが、上の写真の丸のなかに、辛うじてカワガラスが写っていたので、なんとか自分たちの写真図鑑に証拠として、収めることができました。写真のできはともかく、幸先のよいスタートです。

 

朽ち木をひっくり返してその下の虫を探したり――、

 

フユイチゴを見つけては摘んで食べたり――、

 

みんな集まって熱心に聞き入る、先生の手の中には――、

 

鮮やかな脚のサワガニ

 

 

林道沿いには綺麗な川が流れていて、昼食を摂った滝のある辺りには、流れの溜まった水場があったのですが、どこを見ても魚がいません。「2011年の台風以降かな、見なくなったんよ」と先生。不思議なものですが、色々なきっかけで、土地の環境というのは変化するものだということがわかります。

 

先日から活躍している水中カメラでも、息子が撮ってみましたが、カワムツ、オイカワなどの魚影はなし。

 

晩秋の秋の果実たち。

 

ヤブムラサキ(シソ科ムラサキシキブ属)。美しいヴァイオレット!

 

ムロウマムシグサ(サトイモ科テンナンショウ属)

 

こちらはアケビの種? 哺乳類(おそらくテン)の糞のようです。これを見つけた、当日の参加者の地元高校の生物部の生徒さんが非常に歓んでいたのが印象的でした。

 

この日の白眉。巨大で鮮やかな、エメラルドに光るケーブルのような――。

 

道中、川岸に這う太いケーブルの脇に、他と違う細くひときわ美しい、エメラルドカラーの金属光沢を放つケーブルが見えたのですが、それがいきなりスーッと動き出しました。「おっ、シーボルトや! 久しぶりに見たなぁ。」とある先生。

 

 

これ、実は「シーボルトミミズ」という、日本最大級と言われるミミズの一種だそう。一見して生き物のように見えない、あるいは日本の種とは思えない鮮やかな色。「シーボルト」の名は、江戸時代の「出島の三学者」と呼ばれる博物学者の一人であるドイツ人学者、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトにちなむとのこと。

 

 

そのような驚きの出会いもありつつの半日のウォーキング。今回はこれだけの生き物たちに出会うことができました。改めてこんな場所が、そう遠くない場所にあることに感謝しつつ、また改めて訪れて、カワガラスの姿をきちんとカメラのフレームに、美しく収めてみたいと思った次第。

 

和歌山県田辺市伏菟野での観察記録(2018.11.11)
【動物】カワガラス/サワガニ/ヒメフナムシ/カマドウマ/アカザトウムシ/タゴガエル/シーボルトミミズ/モンシデムシ/サツマヒメカマキリ
【植物】スズコウジ/フユイチゴ/タチシノブ/フタリシズカ/チヂミザサ/ミョウガ/ヤブムラサキ/ナンテン/ウマノミツバ/クロモジ/カラスザンショウ/コバノガマズミ/カタヒバ/ホウロクイチゴとフユイチゴの雑種/ヨシノアザミ/ムロウナンテンショウ/ネズミモチ/サルノコシカケ/マダケ/マツカゼソウ/チャワンタケ/ムロウマムシグサ/サカキ/アリドオシ/オオバノイノモトソウ/コシダ/イヌガヤ/ハナショウガ/ヒカゲワラビ/ユズセンリョウ/チャイトスゲ

 

 

【同じ自然観察教室で、春に歩いた「龍神山」も素敵でした。】

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