ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

ソトブログ

今年も熊野川で、伝統漁法「落ちアユ“せぎ漁”」を体験――自分にとって印象的なことを、ひとつくらい持ち帰ること。

 

この記事をシェアする

 

和歌山、奈良、三重にまたがる河川、熊野川で落ちアユの伝統漁法「せぎ漁」を体験。

 

去る11月10日、秋晴れの熊野川(和歌山県田辺市本宮町)で、落ちアユの伝統漁法、「せぎ漁」の体験イベントに参加してきました。

 

「落ちアユ」とは回遊魚であるアユ(鮎)が、産卵のために秋に川を下ること。その生態を利用して、アユが下る川を「せぎ」(堰)を作ってせき止め、投網で捕らえるのが、熊野川に伝わる伝統漁法、「せぎ漁」です。

 

石や木、竹などを敷き詰めて並べた「せぎ」(堰)を作って川を下るアユをせき止めます。画面では、向かって左が川上。画面左中央に2本線のように白い石が並んでいますが、これはあえて並べたもので、ここをアユが通るのを待って、網を投げて捕らえるのが「せぎ漁」です。

 

 

www.sotoblog.com

 

息子(小学生の長男)とこのイベントに参加するのは今年で2回め。昨年も親子共々非常に愉しんで、その様子については、当ブログでも上記のようにまとめています。熊野川の河川敷の場所こそ前年と違うのですが、

 

  1. アユをはじめとした川の生き物の解説
  2. 落ちアユを対象とした伝統漁法「せぎ漁」の見学
  3. アユの串打ち体験・保存法・調理法を学ぶ
  4. 昔から行われている川魚(ウナギ・カニ等)の捕獲道具の解説
  5. 投網体験

 

 ――同イベントの主催団体のひとつである環境省のウェブサイトにも記載されている、上記のイベントの内容についてはほぼ、昨年と同様のもの。しかしそれでも、あるいはだからこそ、というべきか、今回もとても面白かったです。これは昨年に引き続き講師を務められた、熊野自然保護連絡協議会の先生も(今回のイベントの最中にお話させていただいたなかで)仰っていたのですが、

 

「毎年同じことをやって、例えば同じ人、子どもが参加したとしても、また違う発見があるはず。子どもならその間に色々学んでいけば、その知識を基に深く学ぶことができるし、それは大人でも同じ。」

 

であって、「小鷹網(こだかあみ)」と呼ばれる投網を投げる体験をさせてもらった息子などは、小学2年生だった昨年は、うまく投げられなかったものが、今年は上手くなっていて、実際にアユが網にかかるほど。私などは、昨年の記事を読み返して思い出す知識があったり(魚の縞模様の縦縞/横縞の区別など)、進歩しているかどうかはちょっとアヤしいのですが、この1年間、色々な自然観察教室に参加したり、本を読んだりして見聞きしてきたことで、面白さが増してくる感覚が確かにあります。

 

自分にとって印象的なことを、ひとつくらい持ち帰る。

 

熊野自然保護連絡協議会の先生による熊野川の自然についての講義(お話)。大きなバケツのなかには、事前の仕掛けで捉えられたウグイやオイカワ、カジカ、そしてウナギなどの魚や、モクズガニなどのカニもいて、熊野川の豊かな生態系を実感しました。

 

今回のメモ。熊野川にいる魚類の3分の1が海と川を行き来する「回遊魚」で、この割合は非常に高く、熊野川が綺麗な川であることの証だという話が印象的でした。

 

イベントでは、「習うより慣れろ」というか、座学的な知識よりも体験じたいを愉しむ、そして「記録せずとも頭に入る」と豪語する息子に代わって、そして自分の愉しみのためにできるだけメモを取るようにしているのですが、その取り方、というかコツも少しずつ身に付いてきた感じがします。根っからの文系人間で、自然科学や生物学については門外漢の私にとって、こういう自然観察教室/イベントで聴いて、持って帰ることのできる知識は限られています。聴いたこと全てを「自分の知識として」身に付けることは端からできない。ならば自分にとって印象的なことだけでも持ち帰ることができれば儲けものだし、その日の思い出、記憶を脳裏に留めておくことができるように書き付けておきたい。

 

事前に「せぎ漁」で漁師の方が捕まえておいたアユを、河川敷につくった生け簀のなかで、水浸しになりながらつかみ取り。息子は今年も2回、着替えました。

 

そういうふうに考えながら、水浸しになりながらアユのつかみ取りをしたり、炭火で網焼きや串焼きしたアユを美味しそうに食べたり、投網がうまくできるのが愉しくて何度も教えてもらいながら練習する息子の姿を見ていると、来年もこのイベントに参加したいな、と思います。

 

当日の様子から、動画と写真をもう少し、いくつか。

 

www.youtube.com

大ベテランの漁師さんによる投網の実演。投げる瞬間からしか撮れていないのですが、この前に、アユがせぎの近くに入ってくるのをじっと待っている「間(ま)」がなんとも言えず、格好良かったです。

 

息子も投網を何度もなんども繰り返し練習させてもらって、最後に実際にアユを捕らえることができて、非常に感激していました。捕らえたアユは持ち帰らせていただいて、自宅で炭焼きにして美味しくいただきました。

 

「小鷹網」にかかったアユ。今回は数匹、多くて十数匹、くらいでしたが、ご講義いただいた漁師の方によれば、最盛期には一度の投網で100匹以上かかったこともあるそう。

 

捕らえたアユは、その場で焼いていただいて、昼食で振る舞われました。

  

今回、息子用に買っていたトイカメラ、「Qlix」とその専用の防水ケースを使って、水中撮影をしてみました。水中の魚はうまく撮れなかったのですが、今後も試してみたいと思います。

 

 

Qlixとその防水ケース。トイカメラ、といいつつクセのない普通の単焦点コンデジなので、画質はたいしたことはないものですが、スナップ用には十分。防水ケースがなかなかいいので、今後も使ってみたいと思います。

 

【筆記具やノートなど、自然観察で持ち歩いてる<必須アイテム>たち。】

www.sotoblog.com

 

【当ブログの自然観察の記事一覧】