ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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「秋のひき岩群を歩こう」――自然観察教室でウォーク・オン・ザ・ワイルド・サイド。

 

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よく晴れた日は、ワイルド・サイドを歩こう。

 

私と、現在小学3年生の長男が自然観察をしたり、バードウォッチングを始めたりするきっかけとなったのが、地元、<ひき岩群国民休養地 ふるさと自然公園センター>(和歌山県田辺市)で毎月開催されている自然観察教室です。

 

 

最近では少し足を伸ばして熊野・新宮方面(といっても、地理、土地鑑は他所の方にはわかりにくいかも?)の観察会にも参加していますが、興味を持って気がついてみると、こういう催しが各地で開かれていることがわかって、有難くもあり、また、大いに愉しませていただいています。

 

私自身はこちら和歌山ではなく九州ですが、田舎の育ちですし、子供のころは普通に川で遊んだり、虫やザリガニを採ったり、川釣りでフナやハヤを釣ったりしていたはずなのに、いつの頃からかすっかり自然とも縁遠い、インドアそのものの生活を続けてオトナになってしまいました。ゆえに今息子とこんなふうに観察会に参加しながら、改めて自分たちの暮らしと、自然との関わりを見つめ直す――というと聞こえがいいですが、単純に新たな趣味として愉しむ――、そのこと自体に面白さと難しさを感じながら、日々過ごしています。

 

SF映画を見ているとよく、野生の動植物や家畜、作物も死滅ないし枯渇した世界で、人工による模造品、複製品のような生き物、食物とともに暮らしているような描写がありますが、あるいは私たち人間が世界から退場する前に、そのような世界が実現すればまだ幸せなのかもしれません。だとすれば、今こうして多様性のまだまだ残された/という言い方が正しいのか、あるいは今でも、多様性に満ち満ちた、という言い方をできるのか、ともかくもそのような自然に触れることそのものを、やっぱりもっと進んで享受していきたいものです。

 

ここでどういう映画を貼るべきか、ディープなSFファンであれば腕の見せ所というべきでしょうが、私は全然そんなこともないので、長いスパンの未来を描いたこちらの映画をなんとなく、思い出しました。

 

あるいはもっとおバカなこちら。無知ゆえに作物に水ではなく栄養ドリンクを与える26世紀の人々を、自然に対して無知な私は笑えないのかも(めちゃくちゃ笑える映画ですが)。

 

というような、無知なのにくだらない能書きを垂れる私の悪癖はさておいて、今回、10月21日の教室はその名も「秋のひき岩群を歩こう」。自然豊かな場所として国民休養地に指定され、かの南方熊楠もフィールドワークしたというひき岩群の地を午前中いっぱいトレイルウォーキングしながら、目の前の植物たち、生き物たちに触れてみようというイベントです。

 

 

今回も、生物学、自然科学に無知な私があれこれいうよりも、当日の写真を振り返りつつ、私自身も写真とメモを照合して復習しながら紹介してみたいと思います。

 

まずはいきなりワイルド・サイドな写真から。<オオゴキブリ>。家住性のチャバネゴキブリなどと異なり、森林などに棲む。先生が朽ち木のなかから見つけてくれました。「綺麗でしょう?」

 

自然公園のウォーキングコースにある、藤棚のフジは<ヤマフジ>。「蔓が左巻きで、フジとは逆なんよ」とY先生。

 

<ヨシノアザミ>。和名の“ヨシノ”は地名ではなく、発見者である植物研究家・吉野善介(1877〜1964)の名から付けられているそう。

 

山道の途中には、岸壁の上に洞穴になっているところがあり、子どもたちもこぞって、岩肌に付けられた足がかりを登って探検気分。

 

いつものように先生に訊きながら、野帳(メモ)を取りつつ歩いていきますが、写真とメモが照合できずにわからなくなることもしばしば。こちらは<ナキリスゲ>(のはず)。

 

メモは携帯性の高い、おなじみコクヨの測量野帳を持っていくことも多いですが、今回も使ったこちらの、リヒトラブのA5サイズのクリップファイルも、野外で立ったまま筆記するのにとても書き易く、重宝しています。

 

――というわけで、こっちは何だったか、<ハゼノキ>の実かな。
→息子が確認してくれたところ、「父ちゃん、全然違う。<ネズミモチ>の実ちゃう?」とのこと。(2018.10.28訂正)

 

よく似ていますが、こちらは<ヤマウルシ>の実(ハゼノキと逆だったかも、また確認しておきます)。 

 

鳥の巣半島でも見た<ツリガネニンジン>。本当に釣り鐘のかたちに見えますね。

 

当日は低学年の子どもたちが多かったこともあって「短縮コース」でしたが、標高100メートルほどの展望台のようなところにも登りました。写真に撮りそびれていますが、景色も素晴らしく天候もよくて、画面左上の海の向こうには四国が見えていました。

 

【2018.10.28追記:息子が写真を確認して、メモと一致したもの。】

<コバノガマズミ>の実。ガマズミ属の実はツグミ、メジロ、ムクドリなどが採食するが、好んで食べるわけではなく、あまり好まれていないよう*1。息子が食べてみたところ、あまり味がなく、人間にもおいしくないようです。

 

<ササクサ>。ササに似た葉の背の低いイネ科の植物。

 

<コバノミツバツツジ>

 

この日のメモ(野帳)より。(2018.10.21 @ ひき岩群)

 

(植物・菌類)
トウバナ(シソの仲間)、ツリガネニンジン、ヒメヤブラン、ノコンギク、ヒメユズリハ、アラカシ、ヤマフジ、コナラ、タイミンタチバナ(軸が白い)、モチツツジ、コバノガマズミ、コジイ、クチナシ、イヌタデ、ナキリスゲ、キイセンニンソウ(レッドデータ掲載種)、ネズミモチ、ホラシノブ、ウラジロ、コバノミツバツツジ、ミミズバイ、クロバイ(幹の点々)、カナメモチ、ヤマモモ、ウバメガシ、ササクサ、ヤマウルシ(ハゼノキに似てる)、ヨシノアザミ、ミツバアケビ(おいしい)、カワラタケ
(動物・虫)
オオゴキブリ、ノスリ、トビ、イワツバメ、アサギマダラ、ホウジャク

 

【以前の記事から:野帳に鉛筆、自然観察の私的必須アイテムについても紹介しつつ、ひき岩からも近い和歌山県田辺市の霊峰、<龍神山>登山について書いています。>

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*1:※参考文献:叶内拓哉『野鳥と木の実ハンドブック』(文一総合出版)