ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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生き物の宝庫「鳥の巣半島」で、今日は海辺の観察会。

 

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先日上記の記事で紹介した「植生調査」に親子(小学生の長男と私)で継続的に参加して訪れている<鳥の巣半島>。こちら和歌山県田辺市のこの半島のみどころは、陸地の植生、生き物だけではありません。

 

目の前の海には、昭和天皇が行幸し、南方熊楠が保護運動に努め、国の天然記念物にも指定された島、<神島(かしま)>が浮かんでいます。沿岸部にはこちらも国指定天然記念物の泥岩岩脈が岩肌を縫うように走っており、その干潟にもたくさんの海辺の生き物たちが棲んでいます。

 

先日の土曜日、10月20日には、いつもの「内之浦の自然を考える会」主催で開かれた、鳥の巣半島の「海辺の生き物観察会」に参加してきました。今回も、県立自然博物館の学芸員の先生のご指導のもと、鳥の巣半島の海岸で様々な生き物を採集しました。

 

観察地へ向かう道中から生き物探しはスタート。今日も色々見つかりそう。

 

 

駐車スペースから歩いて本日の採集場所の岩礁海岸に向かう途中、堤防から見える波打ち際を一羽の小鳥(チドリ類?)が歩いているのを息子が発見します。「父ちゃん、アレ、何やろ?」――本日は魚や貝、カニといった主に磯の生き物目当ての観察会ではありますが、自然相手のイベントではこいう予期せぬ出逢いが醍醐味です。息子に声をかけられた私は、いつもの高倍率コンデジで鳥の姿を押さえます。

 

私のはこの数世代前の機種。リーズナブルなコンデジですが、高倍率が魅力。画質はそれなりですが、光学40倍超のズームは、手持ち撮影で鳥を収めるには十分です。

 

取り急ぎなんとかフレームに収めて、スマホに入れているKinleの鳥図鑑で確認。息子と鳥見を始めて1年ほどになりますが、まだまだ初心者。「チドリとかシギっぽい感じだけど、今まで見たコチドリとか、イソシギとかとも違うっぽいしなぁ」などと息子と言い合いながらも、新たな出逢いに幸先の良さを感じつつ、足取りも軽くなります。

 

あとでじっくり図鑑と付き合わせたところ、こちらは<キアシシギ>でした。

 

Kindle版を購入してスマホのKindleアプリでいつも参照している野鳥図鑑。紙の図鑑ももちろんいいですが、この手のものを野鳥、虫、草花など、各ジャンル1冊ずつくらい電子書籍で手許に(スマホに)入れておくと、野外での観察に非常に便利です。

  

 

沿岸部に出るとこの日は風が強く、奥に見える海に突き出た小高い山のまわりで探索、採集を行いました。干潮によってできた水たまり(タイドプール)を網で掬って小魚を集めたり、ゴツゴツした大きな石を裏返してその下に棲むカニを探したり――。小一時間くらいの間に、かなりの数の生き物が集まりました。

  

県立の水族館、和歌山県立自然博物館のH先生。子どもたちに混じって、というより先頭に立って次々に水の生き物たちを発見していきます。

 

岩をひっくり返すと次々にカニが見つかりました。

 

見つけた生き物たちをみんなで鑑賞、そして解説――観察会の愉しみ。

 

 

こうした観察会の面白さは、その日発見し、採集した生き物について、その場で専門家の先生方が解説してくれること。一つひとつ写真を撮るのを忘れてしまいましたが、カニを集めたバット(四角い容器)のなかでも、

 

先生「これは<イソカニダマシ>といって、カニではなくてヤドカリの仲間で、ハサミ以外の脚が左右3本ずつ、6本しかありません。タラバガニもそうですね。」

 

――そんなふうに、毎回何かしら発見というか、新しい知識を持って帰る愉しみがあるというか。その割には私などは、なかなかそれが蓄積されていないのですが。

 

カニだけでもこの日、イソガニヒライソガニケフサイソガニイシガニ、イソガニダマシ(繰り返しますがこちらはカニではありません)と、たくさん見つかりました。

 

こちらは細長いですが、<ムラサキクルマナマコ>というナマコの一種。ナマコは身体の基本構造が五角形=五放射相称をした棘皮(きょくひ)動物、ヒトデやウニと同種の生き物である、というのはようやく覚えました。

 

それでもこの日は息子も、「タカラガイが採れたから良かった」と歓んでいましたし、博物館の先生にハゼ釣りの仕方を教えてもらったり、帰り際に見上げた上空でタカ(息子曰くサシバやオオタカ、ミサゴだったとのこと)を見つけて、「今度はタカの渡りを見に来よう」と、自分たちで行く観察行の計画を立てたりして、採集した生き物以上の収穫があったようで、この日も参加した甲斐があったというもの。

 

私も負けないように、というか子どもたちや先生に少しでもついていけるように、せめてこうしたブログでの振り返りなども利用して、自然や生き物についての知識を深めていけたら、と改めて思った一日でした。

 

こちらが長男お気に入りの<ハナビラダカラ>(タカラガイの一種)。

 

この日見られた生き物一覧。(2018.10.13 @ 鳥の巣半島)

 

(水の生き物以外)キアシシギ、アオサギ、トビ、サシバ、オオタカ、ノスリ、ミサゴ
(水の生き物)ハゼ類:ドロメ、アゴハゼ、シモフリシマハゼ、クモハゼ、マハゼ、甲殻類:イソガニ、ヒライソガニ、ケフサイソガニ、イシガニ、イソカニダマシ、テッポウエビ、フジツボ、カメノテ、その他の魚:スズメダイ、アイゴ(バリコ)、メジナ(グレ)、貝類など:ハナビラダカラ、コモンダカラ、ケマンガイ、イタヤガイ、フネガイ、マガキ、ヒザラガイ、その他:ムラサキクルマナマコ、ミノウミウシ、ゴカイsp. など

 

おまけ。道中にて。

 

<ハゼノキ>とその果実。こちらの実のなかの種子は、「キツネノコバン(狐の小判)」と呼ばれていて地面に落ちているものを子どもたちが集め、「100個集めると願いごとが叶う」というような伝承?が全国にあるようです。実は鳥が好んで食べ、糞として落とした種が洗い流されたもの。

 

秋はタカの渡りの季節。一度「渡り」の観察もしてみたいです。こちらはあまり鮮明には撮れていませんが、姿形や色などから、<オオタカ>かなぁ、と思っているのですが、いかがでしょうか。

 

【これまでの記事から:鳥の巣半島での自然観察記】