ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは40歳、2児の父の日常)

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ため池の周囲に多様な生態系が広がる「鳥の巣半島」で、植生調査(自然観察会)に参加しました。

 

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当「ソトブログ」、始めるきっかけとなったのは今も愛用しているASUSのChromebook、C202SAというラップトップPCを買ったからですが、何を書こうか、と思って真っ先に浮かび、初めて記事にしたのは長男との自然観察のことでした。

 

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何度も紹介してきたここ和歌山県田辺市の施設である、ひき岩群国民休養地「ふるさと自然公園センター」 における自然観察教室は、小学校3年生になった長男と、今も変わらず毎月参加しているのですが、ことブログに書こうとすると、私自身の自然科学に対する知識の浅さから、切り口が難しくて書けないまま時間が過ぎてしまうこともしばしば。息子の方は教室の先生方にもどんどん質問するし、図鑑や本もつらつら、ガリガリと読んでいきます。既に植物の名前と見分けなどは息子には全然敵わないレベル。

 

しかし誰でも初めはビギナー。怠惰かつ吸収の遅い中年になってしまった私はいつまで初心者なんだ、と思いつつも、「自然観察初心者」なりに、感じたこと、考えたこと、自然観察に感じる愉しさを、これからもあまり気負わずに書いてみたいと思います。私が書いているのは和歌山県田辺市という人口7万余りのいち地方都市の、小さなイベントに関する文章ではありますが、日本各地どんなところにも、「観察」しがいのある自然はまだまだあるのだということを、こうした教室を通じて日々感じています。しかも「日本ならどこでも同じ」では全然なく、地域の特色もはっきりとある。私自身には具体的知識としてなかなか積み重ならないのが(私自身が)残念ではありますが、どんどん吸収していく息子に励まされつつ、今後も息子たちと一緒に愉しんでいきたいと思います。

 

さて、前置きが長くなりました。

 

 

「鳥の巣半島観察会 ―里地里山保全推進事業 鳥の巣半島植生調査」に参加しました。

 

 

 鳥の巣半島の海岸部。向こうに見えるのが、熊楠が保護運動に努め、昭和天皇が行幸されたことでも知られる神島。田辺市の沿岸部は、奈良県・和歌山県・三重県にまたがる「吉野熊野国立公園」の一部としても指定されています。

 

今回、5月12日に参加してきたのは、その名も『鳥の巣半島観察会 ―里地里山環境保全推進事業 鳥の巣半島植生調査』鳥の巣半島は田辺市新庄町にある、田辺湾に突き出た小さな半島。小さな田畑と森、大小40箇所以上のため池があり、豊かな植生が残された景勝地であり、小集落です。沿岸には国の天然記念物に指定された泥岩岩脈が広がり、目の前の田辺湾には、数百メートル先に、南方熊楠が保護運動に努め、こちらも国の天然記念物に指定された島「神島(かしま)」があります。

 

この鳥の巣半島では近年、一部のため池内で、どこからやって来たのか、外来種であるアフリカツメガエルが繁殖し問題になっています。昨年には日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』でも取り上げられたりしていましたが、今も地元では調査、防除活動が続けられています。

 

 

 半島を散策しながら見つけた植物・生物について、「いきものメモ」にメモしていきます。自然観察では、その日その場所で、「何を見た」ということを残しておくだけでも愉しいし、勉強になります。

 

今回はふるさと自然公園センターではなく、地元のボランティア「内之浦の自然を考える会」主催。午前中いっぱい、3人の先生方とともに半島内を巡ります。県の自然博物館の館長など、それぞれ動植物の専門の、地元の錚々たる面々の先生方で、田辺市でこの種の観察会に参加すると、しばしばいらっしゃるので、息子も既にそれぞれの先生方の顔と専門を覚えて、歩きながら質問・疑問を投げかけていきます。

 

――というわけで以下、写真と、当日のメモを見比べ見ながら振り返ってみます。晴天に恵まれ暑いくらいでしたが、長男はいつもように虫網片手に張り切ってトンボやチョウを追いかけたり、野草やシダなど、知っている植物を見つけては私に教えてくれたり、知らない植物や虫を先生方に訊いたりしていました。

 

トンボ、チョウにミズスマシ、アワフキムシ。鳥の巣半島で出逢った生きものたち。

 

  

イボタノキWikipedia:モクセイ科の落葉低木。日本各地の山野に自生する)。道みち目に留まった植物は、少しでも気になれば先生方に訊ねます。なので、なかなか前に進まない。

 

鮮やかなパステルグリーン。シャクガの一種(幼虫はシャクトリムシ)。生物学的?(分類学的?)にはチョウとガの区別はないと言ってもいいそうです。

 

アワフキムシ(カメムシ目アワフキムシ上科の昆虫の総称)の泡巣。泡はアリなどの捕食者から巣の中の幼虫を守るためのものだそうです。

 

『ザ!鉄腕!DASH!!』でTOKIOの面々が入ったらしいため池。イトトンボやギンヤンマが乱舞し様々な水生昆虫なども暮らすこの場所を、この日の講師のひとり、D先生は「ここは私は密かにユートピアと呼んでる」そうです。そんなユートピアにも外来種で繁殖力の非常に強いアフリカツメガエルが入り込んでいて、防除に苦心されているようです。

 

クロイトトンボ。「クロ」と言いながら先端のブルーが美しく、彼らが何匹も、時につがいで乱舞する姿は確かに、さながらユートピアのようでした。

 

長男が網で捕らえたヒメゲンゴロウ。こうした水生昆虫やヤゴ(トンボの幼虫)が、アフリカツメガエルなどに捕食されてしまうそう。息子はこの後、より珍しい(生息数が減少している)ヒメミズスマシも見つけていましたが、写真撮影に失敗。逃がしたあとよく見たら、ピンぼけしていました。

 

 ヨツボシトンボ。毛深く太い胴を持ったこのトンボは、どちらかというと北方系のトンボだそう。この日はこの1匹だけでした(オス)。トンボ博士であるM先生によれば、「どこかにメスがいると思うが、こういうとき、トンボのメスはなかなか出て来ないんだよね」とのこと。

 

直後、トンボに詳しいM先生がヨツボシトンボを捕らえて解説してくれました。熱心に聞き入る老若男女の参加者たち。

 

解説後、M先生の指先からなかなか飛び立とうとしないヨツボシトンボ。トンボ博士すごい!

 

 今回も身近な自然を満喫することのできた自然観察会でした。海岸部を「吉野熊野国立公園」に指定されている自然豊かな街で暮らし、子どもたちに見せることができる環境に感謝しつつ、「自然保護を!」とあまり肩肘張らずに、これからも自分自身や子どもたちが興味を持ち続けていられるように、愉しんでいきたいと思います。

 

その他、今回見られた動植物たち。

 

今回見られた動植物たち(当日の野帳メモによる):シオカラトンボ、ハルゼミ、アカメガシワ、シゲオマイマイ(殻)、ガの幼虫、イボタノキ、アワフキムシ(巣)、イシガケチョウ、アオスジアゲハ、ウリハムシ、ヤマトシジミ、ヒメウラナミシジミ、テングチョウ、ニワゼキショウ、アオモンイトトンボ、シャクガのなかま、クロスジギンヤンマ、ヒメゲンゴロウ、ヒメコバンソウ、ハハコグサ、ヒメウラナミジャノメ、ラミーカミキリ、ハラビロトンボ、ヨツボシトンボ、ヒメミズスマシ、カスミサンショウウオ、ヒメツルニチニチソウ、モンキチョウ、トノサマバッタ など

 

テングチョウ

 

トノサマバッタ

 

ハラビロトンボ 

 

ヒメウラナミシジミ

 

 【自然観察では、メモのために「測量野帳」が欠かせません。持ち運びには、こんなケースを使っています。】

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