ソトブログ

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新型ポメラDM30は、DM200ユーザーの私にとっても魅力的だけれど、ちょっと惜しいところも感じます。

 

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写真出典:キングジム「ポメラDM30」公式サイトより。(以下、本記事におけるDM30の写真全て)

 

 今回の記事、上記タイトルに書いたように「DM200ユーザーの私にとっても魅力的だけれど、ちょっと惜しいところも感じます。」とするか、「ちょっと惜しいところも感じるけれど、DM200ユーザーの私にとっても魅力的。」とするか、実はけっこう迷ったのですが、今のところの気持ちとして、前者にしてみました。――以下、その理由、にきちんとなっているかは心許ない(私がポメラ自体を非常にフェティッシュに好きな人間であるため、バイアスがかかっているのは否めない)のですが、書いてみました。

 

  

ポメラの新型、DM30が発表されました。

 

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キングジムのテキスト入力に特化したデジタルメモ端末、ポメラというと私は初代DM10、そして現行モデルのDM200、と愛用してきました。今使っているDM200については、自分でもちょっとどうかと思うくらいひとりよがりで文学チックなレビュー(=という名のラブレター)を書いていて、何かの間違いでこのブログのなかではかなり読まれている記事となっています。

 

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――そう、ポメラって、テキスト入力「だけ」できる、というシングルタスク、スタンドアローンであることの魅力。テキスト入力に特化しているがゆえにテキスト入力における体験、使用感の快適さにこだわっている点。そうした機能美に留まらない(あるいはそうした機能美に起因した、といえるかもしれない)フェティッシュな魅力のある端末であって、だからこそ私は、こんな変な文章を書きたくなるのです。

 

今回のDM30もまた、そうです。

 

正直にいえば、今DM200を、快適に使うことができている私にとって、それをうっちゃってまで欲しくなる製品かというと、今のところそうではありません。でも、DM200にはない魅力があることもまた、確か。

 

既に製品発表から数日経って、大手メディアやガジェット系の有力ブロガーの皆さんの記事も出揃っているようですので、詳細なスペックなどはそちらに譲りますが、DM200に公開ラブレターを書く私のようなヘンな人間から見た、DM30の魅力と気になる点について、書いてみたいと思います。

 

DM30のいいところ。

 

――正確にいうと、実機に触れたわけではないので、「良さそうなところ」。

 

電子ペーパー(E Ink)を採用したディスプレイ。

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画面の発色の良さ、視認性の高さ、反射式でバックライトのないことによって目に優しい点などは、入力端末にとって非常に大きな利点だと思います。ポメラはテキスト入力に特化した端末であるため、「書くこと」と同時に「これまで書いたものを読むこと」が作業において非常に大きなウェートを占めるわけです。読む体験において、Kindleなど読書専用端末で使用されている電子ペーパー(E Ink)の特性は、DM200の、「カラー液晶をモノクロ表示」させたディスプレイよりも上回っているのではないか、と思います。

 

観音開き式のキーボード。

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 折りたたみ機構のないストレート型のキーボードを擁したDM200は、テキスト入力端末として申し分のない打鍵感を誇る端末でしたが、その分、フットプリントと重量(580g)がそこそこあり、私の場合、愛用しているASUS C202SAという11.6インチ、約1.2kgのラップトップPC(Chromebook)と同時に持ち歩こう、という気にはなかなかなりません。ポメラでできることは、Chromebookで出来てしまいますし(もちろん、WindowsやMacなら尚更)。逆に、ポメラはPCの代わりには、なりません。

 

DM30はしかし、この折りたたみ機構によってサイズ感がかなり小さくなっています(折りたたみ時の寸法:W156×D126×H33mm)。重量も450gと、DM200より130g軽い。*1

 

その分厚みはあるのですが、この「フットプリントの小ささ」が「持ち運びたくなるかどうか」において大事で、これならPCを持ち歩かない気軽な外出の際には小さなメッセンジャーバッグやサコッシュに放り込んで、あるいは出張時にChromebookとともに鞄に入れて、と用途に応じて使い分けてみたくなります。

 

キーピッチは横17×縦15.5mmで、DM200とほぼ同サイズ。今回のDM30は、ポメラ独特の折りたたみ機構ではなく観音開きにしたことと、キーボードの展開と同時に出てくる「キーフット」によって打鍵時の安定性を増しているとのこと。DM200と同等か、それに近い入力体験が実現しているのなら、これは大きなアドバンテージだと思います。

 

乾電池駆動/Wi-Fi機能の不搭載

 これらは一長一短なのですが、ある意味ではDM30の美点だとも言えると思います。

 

個人的にはDM200で従来のポメラの乾電池駆動からリチウムイオンバッテリーになったことで、「電池をストックしておいたり、持ち歩いたりしなくて良くなった」こと、Wi-Fi機能によって(IFTTTを使うなど、ちょっとした工夫は必要ですが)、「ポメラDM200から直接、Dropboxなどのオンラインストレージにアップロードできる」ようになったことは非常に重宝していて、とくにWi-Fi機能については当初は使うつもりはなかったのですが、都度のWi-Fi接続に若干時間がかかりつつも(約10秒)、意外と「ちゃん使える」ので、気に入っています。不便はないですし、DM200が「よくやってくれている感」があって、好き。

 

しかしDM30で乾電池駆動(単3電池2本)、スタンドアローンに戻った(正確にはQRコード出力と、Flash Airには対応しているので、全く無線での連携ができないわけではない)ことで、DM30は、DM200とは別の魅力、というよりポメラの原点「テキストを入力することに集中できる」という魅力を増している、という感じがします。何より、DM200より非力でコンパクトなマシンで、無理矢理Wi-Fiなどの機能を搭載しても、使い勝手の点で快楽よりも不自由さを感じてしまうのではないか。やはりDM30は、DM200とは少し違うベクトルを持ったプロダクトだと思います。

 

DM30のちょっと気になるところ(マイナス点)。

 

 ―こちらも、実機に触れる前の感想として、いくつか。

 

電子ペーパー(E Ink)を採用したディスプレイ

 先ほどはいい点を挙げましたが、電子ペーパーにしたことによるマイナス面もあるようです。それが、描画の遅さと「残像現象」。ポメラとして、テキスト入力端末としての使用に耐えるようにかなりカスタマイズされているようですが、発売前の記事を見比べても、この辺りの評価にばらつきがあるようですので、どの程度の仕上がりになっているのか、少し気になるところ。タイピングの早さなどは個人差があるところで、これは使ってみないとわからない部分だとは思います。

 

表示フォント

 仕様や紹介記事を見る限り、DM200で搭載されていたモリサワのアウトラインフォント、「UD新ゴR」「UD黎ミンR」は採用されていないようです。テキストエディタとして、入力面の肝として、ここはこだわってほしかったところ。私はDM200では明朝体の「UD黎ミンR」を愛用しています。かなり感覚的な部分ですが、テキストを書くときの「気分」において、表示されるフォントによって少なからず左右される部分があります。

 

 ポメラDM200の「UD黎ミンR」。DM200でも惜しむらくは、もう少し画面解像度が高ければ(DM200は7インチ、1024×600)、更に美しいのですが。なお、DM30は6インチ、800×600。

 

私の場合書くときに、そして書いたものを読み返すときに、縦書きか横書きか、というのはあまり気にならないのですが、できれば綺麗な明朝体で書いて、読みたい。その点でDM200で採用された「UD黎ミンR」は非常に気に入っていたのですが、これが採用されていないとすれば残念。極端にいえばこの一点において、仮に私が今DM200を持っていなかったとしても、現時点でDM200とDM30のどちらを選ぶかといえば、DM200ということになります。――と、ここまで書いて、この点については搭載されているフォントについて未確認ですし、色々な記事を見てもその点について触れられたものが見当たらない(私の探し方が下手なだけかもしれませんが)ので、可能であれば確認してみたいと思います。 →【2018.5.21追記】キングジムに問い合わせたところ、DM30の表示用フォントは「イワタビットマップフォント」、DM100と同じだそうです。やはりアウトラインフォントでなく、明朝体も搭載されていないということですね。

 

その他、DM200からアウトライン機能が継承されたこと、日本語入力システムとして採用されている「ATOK for pomera」も、DM200のATOK 「for pomera [ Professional ]」(DM200はこれを搭載するために従来の乾電池駆動ではなくリチウムイオンバッテリーになったといいます)に近いクオリティにまで改善されているとのことで、そこは期待したいところ。

 

色々想いを巡らせてみることが愉しい「道具」がまたひとつ誕生した。そのことは、やっぱりちょっと嬉しい。

 

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何にせよ、実際に使ってみないとわからないところも多いですし、しかし現実的には、私は今のところDM30を入手できるあてはないのですが、こうして色々想いを巡らせてみるだけで愉しい「道具」がまたひとつ、誕生したことは、やっぱりちょっと嬉しい。私にとって、今の相棒、ポメラDM200がその役目を終える頃にも、ポメラのラインナップが(細くても)続いていて、質の高い充実したものであることを願いつつ。

 

 

【ポメラDM30にないDM200の魅力のひとつ、Wi-Fi「アップロード」機能を利用したクラウド連携について】

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*1:ただしそこに、単3電池2個分(1個あたり20g強)の重さが追加されます。