今年の夏、いちばん聴いた「CD」であり「アルバム」が、SSW、青羊(あめ)さんのソロプロジェクト、“けもの”のニューアルバムにして、初メジャー作となったこの『めたもるシティ』です。
2017年SSという時を刻んだけもの『めたもるセブン』
このブログでは、Chromebook ASUS C202SAというラップトップPCのレビュー記事において、なかばゲリラ的に、けものの歌詞の引用をし、MVを貼り付けていました。
私にとって「同時期に購入して、同時にもっとも気に入ったプロダクト」であって、両者を同時に好きな人は――少なくとも両者を同時にブログに取り上げようという人は――他にいないだろうと思ったからでした。
C202SAは日本ではあまり普及していないGoogle謹製のChrome OSを搭載したChromebookというノートパソコン。
けものというユニット、『めたもるシティ』というアルバムは、本作のプロデューサーのジャズ・ミュージシャン、菊地成孔氏をして「オルタナ・シティポップ」と言わしめた、独特の世界観が特徴的なアーティストであり、作品です。
――と、これ以上の客観的な記述はコンピュータにも音楽にも専門的な知識のない私の手に余ります。私はただただ、この2017年の夏にChromebook(C202SA)と『めたもるシティ』という作品に出会ったことを記録しておきたいのです。
けもの「めたもるセブン」オフィシャルMV(Director: 島田大介、主演:小谷実由)
C202SAのレビューでアルバムのリード曲、「めたもるセブン」の歌詞を引用しました。
あなたの力を貸して
ひとりじゃ行けない
未来の気配がするから
想像もしていなかった
ギフト受け取る喜び
けもの「めたもるセブン」より
先日書いた、C202SAを持参した広島への家族旅行でも、6時間以上のオン・ザ・ロードで、カーステレオで色々な音楽を聴いたなかでも、もっとも繰り返し流したのが『めたもるシティ』でした。
青羊(あめ)というアーティスト名を名乗り、自身のソロ・ユニットとして更に“けもの”と名付ける、いわば「芸名」を二段重ねにするという、重層的なアイデンティティを持ったけもののこの作品は、その実、素晴らしく耳心地がよく、聴きやすく、口ずさみたくなる楽曲群が並んでいます。
私の二人の息子たち、小学生の長男と、まだ2歳の次男にとってもまた、そのメロディが口を衝いて出るようでした。
「だいろ、だいろ」と次男は言います。
第六感コンピューター 第六感コンピューター
第六感コンピューター スイッチは押された
けもの「第六感コンピューター」より
ティーンにもならない長男もまた、まだ見ぬ東京の街の歌をうたいます。
銀座の街に革命が起こったら
どのブランドを着て戦おうかな?
けもの「tO→Kio(トーキオ)」より
しかし少年たちにこの楽曲集の、一つひとつの歌の機微が解るのはまだずっと先でしょう。M8に収められた「伊勢丹中心世界」を、ショッピングという媚薬の本質を捉えられない私には永遠に正しく理解できないように。
扉を開けたら そこはテーマパーク
新宿で一番のデパート
ここが世界の中心伊勢丹
新宿駅東口 徒歩五分
「伊勢丹中心世界」より
この伊勢丹賛歌が、かのデパートの広告や宣伝、マーケティングと一切関係のない、パーソナルなものだという2017年の奇跡。
2017年に現在進行形だったミラクルなレジェンドを、私たちはリアルタイムで聴いたんだよ、と目を閉じて私は息子たちに言うのです。
いくつかのディケイドを超えて。
・けものオフィシャルサイト http://kemonoz.com/
※H29.11.9けものレコ発ライブに寄せて(私は行けませんが)、もう少しけものについて。