ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは30代後半、2児の父の日常)

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Chromebook日録 #002――2017年12月31日、久しぶりにひとりで過ごす大晦日の夜に、“一冊の書籍に匹敵するChromebookとは?”と考える。

 

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先日上記の記事で、愛用のChromebook、ASUS C202SAについて、「日々の使いこなし、というより使っているなかで気づいたちょっとしたこと、“トラブルシューティング”というほどでもない日々の不具合とその解決など、Chromebookとの生活のなかで起こるささやかな出来事を、「作業日誌」のような形式で、これから不定期に綴ってみたい」ということを書きました。今回はその番外編というか、作業日誌というよりChromebookとの日常そのもの、という内容になったこともあって、この日誌(連載?)のタイトルを<Chromebook日録>と改めてみました。私にとって「道具であって道具以上のもの」である愛機C202SAについて、これからもこういう形で綴っていきたいと思います。

 

 2017年12月31日、ひとりの部屋で、一冊の本と一台のChromebookを前に、それぞれの「美しさ」について思いを馳せる。

 

年末年始の休み中、元旦の日中に勤務となってしまったために、大晦日の夜に、家族のいる自宅から単身赴任地のアパートまで戻ってきて、明日の準備をしていて、


(テレビもない部屋だし、本を読みながら年を越そうか)


と思いついて、机の上にいつでも読めるように置いている何冊かの本をめくってみる。歌手で詩人の友部正人の詩集、『バス停に立ち宇宙船を待つ』(ナナロク社刊、2015年)は著者独特の感性による詩世界も然ることながら、装丁・造本が素晴らしい。クラフトペーパーのような表紙(カバー)、折ごとに紙の色を変えた本文用紙、そして小口は金色の箔が塗られている。近年、電子書籍が普及し始めるのに呼応するように、隅々まで仕事の行き届いた、美しい装丁の本が、(しばしば小さな出版社から)作られるようになった気がする。

 

友部正人は1950年生まれのフォークシンガー。高田渡、坂本龍一、デイヴ・ヴァン・ロング、そしてたまなど、世代や国籍を超えたミュージシャンとの交流で知られ、詩作やエッセイなど多数の著作もある。

 

金色に塗られた小口、一折(16ページ)ごとにグラデーションをつけるように色の違う本文用紙が美しい、友部正人詩集『バス停に立ち宇宙船を待つ』(ナナロク社)。ブックデザインは大島依提亜。

 

狭い部屋なので、本を眺めている手許にあるお気に入りのChromebook、ASUS C202SAが目に入り、ふと、こんなフレーズが浮かんだ。

 

「一冊の書籍に匹敵する美しさのChromebookがあるだろうか?」

 

PCと書籍を比較するなんてナンセンスだけど、私は読書のみならず、モノとしての本が好きなので、数百円から数千円程度の価格で、あらゆる意味でプロダクトとして、工芸品として完成された美しさのある書籍というものを偏愛している。一方で私はChromebookという、Chromeブラウザに依拠することでPCライフそのものをデザインし直したプロダクトを購入する際に、最終的には「見た目がいちばん好み」という理由でC202SAを選んだ人間でもある。

 

しかしC202SAが海を越えて手許に届けられたとき(C202SAは国内版未発売のため、海外のECサイトから個人輸入する必要がある。私は米Amazon.comで購入)、最初の印象は、

 

「やはりというべきか、意外にというべきか、パッと見はチープ」

 

というものだった。グレーと濃紺を基調とした配色に、原色のChromeロゴが映える外観デザインは、完璧に私の好みなのだけれど、キーボードトップやベゼルに使われているプラスチックの質感や、解像度が低くやや眠たげな液晶画面など、やはり意外と安っぽい感じは否めない。しかし使うほどに、そもそも教育市場向けに作られた質実剛健さ(耐衝撃、キーボード面の耐水性、周囲をラバーコーティングし、外装表面を梨地加工するなど日常のタフな使用に対する配慮)と、それによる取り回しの良さ、決して性能の高くないCPUながら軽快な挙動を確保していることタッチパッドの使用感の滑らかさと2本指、2本指を利用したタッチパッドジェスチャーの豊富さによるインタフェースの軽快さなど、「道具としてのデザイン」の完成度の高さを感じる。

 

 

パーソナルコンピュータとして、この価格(私の購入した2017年6月下旬当時、日本への関税、送料を含め26,000円程度。Amazon.co.jp等で並行輸入品を購入しても、2017年12月現在の価格で36,000円)でこの筐体、この体験を実現しているということは、やっぱりある種の「美しさ」を体現しているのではないか?

 

結局はそんなふうに、我がC202SAへの愛着を感じつつ、本を閉じてこの文章を書き始めた。2018年はどんな本を読んで、どんな文章をこのChromebookで書こうかな、という思いを抱きつつ。