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映画と本、自然観察(あるいは30代後半、2児の父の日常)

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ア・ライフ・レス・オーディナリー(あるいは、普通の人の普通の日々 #001)

 

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今週のお題「私の癒やし」

 十数年まえのスナップショットに寄せて。

 

観そびれてしまったために未だに観ていなくて、おそらくこれからもしばらく観ない映画というものが誰にでもあって、映画を観ない人だったら小説でもマンガでもゲームでもいいのですが、そういうものは直接に生活に影響しないものだからこそ、その人の人生を決定します。

 

ダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』の公開が1996年で、私は高校3年生で進学校で受験生だったので公開時には観ませんでしたが、翌年に大学で自主映画を製作する映画研究部に入った私は、当時それこそ「観なきゃハナシにならない」映画だった『トレインスポッティング』は観ましたが、ダニー・ボイルの次作にしてハリウッド・デビュー作『普通じゃない』(原題:A Life Less Ordinary)は観ませんでした。今も、ユアン・マクレガーと、キャメロン・ディアスが共演しているということ以外、調べればわかるはずのストーリーがどんなものかも知らないし、多分なかなか観る機会もないでしょう。

 

 

ダニー・ボイルがつまらない、という話では全然なくて、ただ、そういうものがある、ということ。『トレインスポッティング』は当時も今も大好きですし、『スティーヴ・ジョブズ』も素晴らしかった。『T2 トレインスポッティング』もまだ観れていないので、これは観たいと思っています。

 

――というか、ダニー・ボイルの話をしたいのでは全然なくて。

 

埠頭を捉えたこのブログのタイトル画像や、たまにアイキャッチで使っているイメージ写真のような写真は、フリー素材から取ってきたクレジット入りのものを除いては、私の妻の撮った写真で、それも、10年以上まえに、ペンタックスSPという一眼レフのフィルムカメラで撮ったものです。

 

※下記記事のアイキャッチなどがそうです。

sotoblog.hatenablog.com

 

sotoblog.hatenablog.com

 

 

 

元々は義父の、つまり妻の父が初任給で買ったというこのカメラで妻が撮っていた写真が私は好きでした。当時彼女はDPEショップで働いていて、――“DPEショップ”という言葉が既に聞き慣れない方もいるかも知れませんが、Development、Printing、Enlargement。すなわち、「現像、焼き付け、引き伸ばし」。フィルムの現像とプリントをしてくれるお店ですね。今もデジカメのプリントサービスを主体に、営業しているところもあります――店の機材で、社員価格を利用して自身の写真も現像し、当時サービスの始まっていた、現像した写真のCD-Rへの書き出しまで行って保存していたCDが、今も何枚か手許に残っています。

 

 

それらを眺めながら、何か文章を書いてみたいな――。

 

というのがこの文章の趣旨で、シリーズ的に続けてみたいな、と思っています。もうすぐ40代の私にとって、14年前(今、写真のプロパティを見たら2003年となっていました)といっても心情的には近過去なのですが、それでも、人の写っていない、風俗の写っていないように見える写真であっても、過去は過去であって、写真の特性といってしまえばそれまでですが、あるいは私の(写真家としても)敬愛する片岡義男の言葉を借りれば――、

 

写真で切り取ることによって現実を虚構へと転換させると、虚構の精緻さに圧倒されながら、じつは現実をより深く見ることが可能になる

片岡義男の写真集『東京のクリームソーダ』(光琳社出版、1998年)より

 

のであって、写真に収められた風景、ヴィジョンが、現実ではなくて現実そっくりに構成された作り物、セットだと考えてみると、現実というものが、ディテールを本当に隅々まで作り込まれていることに、私たちは惚れ惚れすることができます。

 

 

――というような、写真や虚構の面白さは畢竟、映画や小説の面白さにも通じるものです。小説が現実と同じなんてそんなバカな! ――でもそうなんです。という大げさなことを書きたいわけでもなくて、いい写真なので、しまっておくなんてもったいない! ただそれだけです。気が向いたらまた次回――。

 

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